歯ぎしり・食いしばり
歯ぎしり・食いしばり
歯が悪くなる原因には、もちろん虫歯や歯周病の【菌】という要素がありますが、同じように悪くするもう1つの要素が【力】です。
その力にあたるものが歯ぎしりやくいしばりです。
歯ぎしりや食いしばりはなかなか自分では気づけないもので人から指摘されることが多いですが、ほとんどの方が歯ぎしりはしています。就寝時だけでなく日中、無意識に歯を食いしばっていたりすることもあります。
歯ぎしりは歯がすり減ったり、音がしたりと良いイメージがないかもしれませんが、人間にとってはとても大切な要素なのです。歯ぎしりによりストレスを緩和したり、自律神経系をコントロールしたりと重要な働きがあります。仮に歯ぎしりをできないような装置を入れてしまうと様々な不具合が出てくる可能性があります。歯ぎしりはやめずに、歯や顎に負担のかからない歯ぎしりができるようにするべきなんです。
上下の歯を側方にギリギリと擦り合わせることをいいます。食いしばりよりも大きな力が歯にかかります。
上下の歯を強く噛み締めるのみで音がしないもの。歯ぎしりとは違って音がしないので気づきにくく、睡眠中だけでなく日中も無意識に行っていることが多いタイプ。
※睡眠時はほとんどの人が歯ぎしりの動きをしています。
歯ぎしりや食いしばりにより歯の表面のエナメル質が削れてしまい平らになります。
過度な力がかかると歯が破折してしまうケースもあります。割れ方によってはその歯が残せなくなり、抜歯になってしまう場合もあります。
歯ぎしりや食いしばりにより歯がすり減ったり歯の根元が欠けたりして歯のしみる部分が露出してしまいます(くさび状欠損)。
噛む力が作用しすぎるとはぐきが下がります。力は歯周病の原因の1つに挙げられます。
歯ぎしりや食いしばりにより歯に過度の力が加わることにより、詰め物が取れたり、割れたりすることがあります。
噛む筋肉は、肩の筋肉や頭の横の筋肉と連動していますので、歯ぎしりや食いしばりにより、顎が痛むなどの顎関節症や肩こりや頭痛が起こることもあります。
歯ぎしりや食いしばりはやめることができません。仮に歯ぎしりができないようにすると逆に体に不具合が出てきます。
歯ぎしりをしても歯に負担がかからないようなアプローチをします。
口腔内の審査
歯の咬耗や歯周ポケットの検査や歯の動揺度などから総合的に判断します。
睡眠時の歯の接触の検査
寝ているときの歯ぎしりでどこが当たっているのかを診断します。寝ているときの歯ぎしりでは普段咬んでいる位置と全く違う位置でギリギリと歯ぎしりしていることがあります。
▽睡眠中にどこで歯ぎしりしているかを検査する装置
▽通常咬んでもらった位置
▽赤い装置の印の位置で接触させた位置
普段起きているときは上の写真の位置で咬んでおり、意識的に歯ぎしりの動きをしても上の写真の位置から横に動かしていた。
しかし、睡眠時の無意識化では下顎を前に出した位置でギリギリと歯ぎしりをしている。
このような結果は通常の検査では判断しづらく、咬み合わせの調整がうまくいかないこともあります。
気になった方は一度検査してみることをお勧めします。